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横浜青葉台クリニック | 院長 小田切邦雄 |
青葉台 | 136号(h.12.11.17) |
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乳癌の予防と検診について
乳癌は欧米に比べて日本人では比較的稀でしたが,近年増加しています.増えている原因は生活の欧米化が関係していると言われています.現在,女性のかかる癌では最も多く,女性の癌死因としては胃,大腸,肺,肝に次いで5番目になりました(1997年).病気の予防には,その原因を避ける一次予防と,早期に発見して治療する二次予防があります. 乳癌の場合,肺癌予防のための禁煙のように明らかに有効な一次予防はなく,早期発見が実際的な方法です.早期に見つかった乳癌はほぼ100%が治ります.しかし従来行われていた蝕診による検診の有効性には疑問が持たれており,乳癌で亡くなる人を減らすには,乳腺のX線検査(マンモグラフィ)による検診が必要であるとの結論が出ております. 実際に北欧など以前から高精度のマンモグラフィによる検診を実施していた国々では,乳癌死亡率が20ー30%減少したことがすでに実証されています.わが国でも厚生省が今年の3月に出した通達で,50才以上の乳癌検診は視蝕診とマンモグラフィの併用を原則とするとの方針を明らかにしました. なお,40才台の検診でもマンモグラフィを含めるべきであるとする専門家の有力な意見があります.マンモグラフィによる検診を実施する上で,問題点もあります.高精度の検査をするには,基準に合った装置を専門の診療放射線技師が維持管理し,撮影にあたること,および専門の訓練を受けた医師が読影を担当する必要が絶対に必要です.残念ながらわが国では装置,人員とも普及が遅れており,現在乳癌検診学会と関連学会が技師と医師の講習を行っている状態です. 40才以上の女性(身近な血縁者が乳癌にかかった方はそれ以前から)には、以下の事をお薦めします:
(1)横浜市の乳癌検診を受ける. (2)少なくとも2年に1回マンモグラフィによる検診を受ける. (3)自分で「しこり」がないかを調べる「自己蝕診」を,月に1回以上おこなう習慣をつける.なお,横浜市の乳癌検診は従来型の方法です.その改善を政治や行政に働きかけることも大切でしょう.米国では議会と大統領が関与して,1994年にマンモグラフィの精度を維持する法律(Mammography Quality StandardAct,MQSA)を作り厳重な基準で検査施設を認定、監督しています.北欧では市民の要望を受けた政治家が検診の方法や経済性有効性を真剣に議論しています.(コンピュータをお持ちの方はインターネットで調べて見てください |